いま4月中旬、屋久島は枇杷の収穫の真っ最中だ。家庭訪問で訪れた先生によく枇杷をお出しするので毎年この時期ですよ、という。
ぼくの生まれ故郷の大阪市阿倍野区では、
枇杷の収穫は梅雨の時季だった。
収穫と言っても、小学校の帰り道のお医者さん家の垣根にたわわに実っていた枇杷を、悪友が傘を広げぼくが畳んだ傘で叩き落とすという、なんとも荒っぽい収穫だった。
まあ泥棒と言ってもいい。
ある時その家のお医者さんの奥さんが出てきて「好きなだけ取っていいのよ〜堂々と」と言われた。びっくりして怖かったのと、申し訳ないのと、恥ずかしいのとで、一目散に走って逃げ帰ったことがある。一応その時許してくれたと理解し、あたり前だがそれからは人の家の果物を取るということを一切やめたので、ここに思い出として書いておこうと思う。
屋久島のウチの畑でなっている枇杷。
今またそんな小学生がいたら、あの時と同じように諭してやろうと思う。
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